「ギフテッド」と呼ばれる子ども達、特別な教育で弊害も
最近「ギフテッド」という言葉を良く耳にするようになりました。情緒の発達や対人コミュニケーションに少し難があっても、知能が高く、ある得意分野においてその月齢とは思えないような才能を発揮する子どもたち。
これまで日本においてはその子たちの支援はあまり行われてきませんでしたが、ある民間のギフテッドを支援する学校「NPO法人翔和学園」で取り組みを始めたそうですが、そんなに甘いものではなかったようです。
(※2024年1月7日(日)朝日新聞朝刊を参考にしています)
「高レベルの集団」「英才教育」・・・そんな単純なものではない
「NPO法人翔和学園」では「未来のエジソンやアインシュタインを育てる」として2015年I
以上の小学生を選抜した特別クラスを設けました。
その子が興味あるテーマに特化した授業を行ったり、時には外部から講師を招いたりしたそうです。中には小学生ながらに相対性理論について言及した子もいたそうです。
「基本的概念の理解が浅い」とバッサリ
ところが、将来の働く場と想定したIT企業の技術者や大学の研究者からは、かなり厳しい声が飛んだそうです。「形式的な知識はあるけれども基本的な概念の理解が浅い」そうバッサリと思わしくない評価をされる子が多かったそうです。
子どもたちにも「特別扱い」されてきた弊害も
また、選抜して「君はIQが高いんだよ」と特別扱いしてきた弊害も出てきました。内容としては「周囲のアドバイスに耳を貸さない」「実験に失敗した時に諦めが早い」など。
結局、未来のわが社の社員にと考えていた様々な企業は、これではなかなか採用は難しいという結論に至ったようです。
翔和学園関係者は「私たちの指導方法が間違っていた」
様々な弊害は出てきたことから、結局特別クラスは2018年に解体されました。教訓として
①基礎学力
②協調性
③最後までやり抜く力
が大切といったことが大切なことが分かりました。
現在は新たな形でギフテッド教育に取り組み、共通の目標に向かって挑戦することを増やしているそうです。
IQが高いだけでは日本社会では難しいのか
知能は高いけれども、情緒の発達に難があるギフテッドの子どもたちはクラスに1人はいる計算になるとも言われています。
しかし日本の企業ではやはり協調性や諦めないでやり抜く力が求められます。そのため、なかなかなじめない人も多いと聞きます。
対人コミュニケーションに難があっても、その子の効力が最大限発揮できるような仕事・・・一口に言ってもなかなかむずかしいものがあるのかもしれません。