昨今の幼児英語教育は異常?警鐘を鳴らす専門家

グローバル化が叫ばれている昨今、子どもの将来を案じて「英語を身に付けさせたい」と考える保護者は非常に多いのがうかがえます。
そこでブームなのが「乳幼児の早期英語教育」。
しかし言語や認知科学が専門の大津由紀雄 慶応大名誉教授は「昨今の乳幼児への英語熱はかなり異常な状態」と語ります。
その問題点について考えてみましょう。
(※2024年2月22日朝日新聞朝刊の記事を参考に要約しています)

母語の確立と英語教育について

母語が確立されていない未就学児に英語のみの環境を与えるプリスクールが増えているが、これは子供の心の発達を損なう傲慢な行為として捉えられます。親は冷静に、子供の発達段階に合わせた環境を選ぶべきです。

外国語学習のタイミングとは

外国語を学ぶ適切な時期は母語をコントロールできるようになってからでも遅くないとされています。幼少期に英語を話すことに執着する親もいるが、学習は小学校以降で十分であるとの考え方があります。

多言語環境の重要性

幼い頃から様々な言語に触れることは、世界の多様性を理解し、文化に触れる良い機会とされています。親は子供に色気を持たず、言語学習を楽しませることが重要であるとされています。

異文化への触れ方も大切

異文化への理解を深めるためには、外国語だけでなく、国内の様々な文化にも触れることが重要です。お金をかけずに、自身と異なる文化や人々との接点を求めることが育成に役立つと言えます。

英語学習の焦りを取り払うために

英語学習において、母語話者と同じレベルに到達する必要はなく、発音の完璧さよりもコミュニケーション能力が重要であるとの見解があります。親は焦らず、自然な学習の機会を提供することが肝要です。

最後に

この議論は、幼少期に外国語を学ぶことの是非について深く考えさせられます。子供の心の発達段階と適切な学習環境の関連性、また、異文化への理解を深めるための方法など、親や教育者にとって有益な示唆が多く含まれていると言えます。

我が子のことを思って、というのはよくわかりますが、第二言語は母国語以上に発達はしません。まずは母国語をしっかり身に付けて、母国語でコミュニケーションが十分できるようになってからの方が第二言語の習得にはふさわしいとも言われています。


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