乳幼児でも1回でOK!画期的なインフルエンザワクチンとは
昨年12月頃からインフルエンザが猛威をふるっています。全国で学級閉鎖が相次いでいるとのこと。
大切なのは「流行前のワクチン接種」「外出後の手洗い」「部屋の適度な湿度」「休養とバランスの取れた食事」。何年も前から言われていることは同じですね。
保育園や一時預かりは、子ども達が集団で過ごす場所のため、なかなか難しい面もあります。
(※2024年10月31日 朝日新聞の記事を参考に要約しています。)
日本初、鼻に噴射するスプレータイプ
日本で初めて、鼻に噴霧するスプレータイプのインフルエンザワクチンの接種が10月から開始されました。
注射の痛みが苦手な子どもにとっては朗報ですが、このワクチンは弱毒化した生ワクチンを使用しているため、接種に注意が必要なケースもあります。
専門家は、「このワクチンの使用を希望する場合は、事前に医師に相談してください」と呼びかけています。
鼻噴霧型インフルエンザワクチン「フルミスト」の特徴と注意点
新しいワクチン「フルミスト」は、第一三共が開発した鼻に噴霧するスプレータイプのインフルエンザワクチンで、対象は2~18歳。左右の鼻腔に1回ずつスプレーする形で接種が行われます。
米国では2003年から使用され、現在までに36の国と地域で承認されています。
国内では昨年3月に薬事承認を受けました。
従来の不活化ワクチンが感染力を失わせたウイルスを用いるのに対し、フルミストは毒性を弱めたウイルスを使った「生ワクチン」です。
鼻の粘膜に噴霧することで、実際の感染と同じメカニズムで免疫を獲得します。
国内の臨床試験では、インフルエンザ発症を28.8%抑える効果が確認されましたが、副反応として鼻水や鼻づまり(59.2%)、せき(27.8%)、のどの痛み(17.9%)、頭痛(11.2%)などが報告されています。
メーカーは、従来の不活化ワクチンと比べて効果に明確な差はないとしています。
経鼻型ワクチン「フルミスト」の利点と使用時の注意点とは
フルミストは、注射が苦手な子どもにとって有効な選択肢となります。
不活化ワクチンでは13歳未満の場合、通常2回の注射が必要ですが、フルミストは経鼻スプレーであり、年齢にかかわらず1回の接種で済む点が大きな特徴です。
ただし、経鼻ワクチンは生ワクチンであるため、妊婦や免疫不全の方には使用できません。
接種によりインフルエンザにかかるリスクがあるためです。
また、ぜんそくを持つ子どもにも注意が必要です。
日本小児科医会理事の峯真人医師は、「接種後、鼻内に感染力が弱いウイルスが一定期間存在するため、免疫力が低下しているきょうだいがいる場合などにも注意が必要です。
「使用を希望する際は必ず医師に相談してください」と注意を促しています。
フルミスト接種の確認方法と費用
フルミストを取り扱っているかどうかは、事前に医療機関へ問い合わせる必要があります。
小児用のインフルエンザワクチンは任意接種となるため、費用は7,000円~1万円程度で、原則として自己負担となります。
ただし、一部の自治体では接種費用を助成している場合もあるため、詳細は自治体に確認されることをお勧めします。