進む保育現場のICT化。乗り遅れないで!
そもそも保育ICTシステムとは?
ICTとは「Information and Communication Technology」の略で、直訳すると「情報通信技術」。広義の意味として「情報通信技術を活用したコミュニケーション」となります。
現代ではさまざまなサービスがネットにつながっており、手軽に情報の伝達や共有ができる時代。
保育ICTシステムは、園内で情報を共有し、作業の効率化を図るのが主目的です。
園での煩雑な作業が効率化することで、子どもと向き合う時間が確保できますし、それによって保護者とのコミュニケーションも円滑になるでしょう。信頼関係の改善に大きく影響します。
また、今まで紙で手作業で行っていたことがシステム化されることで、ヒューマンエラーは大きく軽減するでしょう。
保育ICTシステムにはどんな機能があるの?
現在多くの園でICTシステムが導入されており、今後も導入件数は増えていくと予想されます。ではいったいどんな機能があるのでしょうか。ここではICTシステムにパッケージされている機能の一例を見てみましょう。
【1】園児台帳管理
園児の生年月日や血液型、同居の家族情報やアレルギーの有無などを一括で管理します。身体測定で計測したデータを保護者と共有する機能を備えているものもあります。また、保護者の情報も紐付けて管理ができます。
【2】登園・降園管理
例えば登降園時にタブレットからタップ打刻したり、QRコード読み込みをするなどすれば、リアルタイムに在園児の数が把握できます。お休みの連絡がないのに登園しない園児もすぐに把握ができます。
【3】連絡帳・お休み連絡
保護者はスマホから簡単に入力、送信することで負担が軽減。お休み・遅刻・早退の連絡も簡単に行えます。園ではすぐに把握できるので、登園児童の情報を見落とす心配がありません。
保護者もお迎えに行く途中にスマホで確認ができ、園のスタッフとのコミュニケーションの向上が図れます。
【4】お便り配信・ギャラリー・アンケート
園全体へ、クラスごとへ、また2歳児のみなど、お便りの一斉配信が行えます。画像を添付して、七夕まつりやクリスマス会の様子などを保護者に見てもらうことも可能。保護者は園の雰囲気がよく分かるので、安心感にもつながります。
アンケート機能では回答の集計も自動で行えます。
【5】日誌や指導計画、自治体への提出書類
指導計画では過去のテンプレートから一部を流用したりできるので、帳票類の作成の効率化が図れます。日誌では日付や天気、園児の出欠状況は自動で反映されるようになっており、作成の負担を減らすことができます。
自治体に提出する書類の集計作業も自動化されています。
【6】スタッフのシフト・勤怠管理
職員の出退勤情報や希望シフトの調整などを画面上で一括管理ができます。スタッフの勤怠状況や残業時間なども一目で分かるようになっています。
【7】カスタマイズ対応
システムによってはカスタマイズが可能なものもあります。園によって「これだけは形を変えたくない」「このやり方を変えると現場が混乱する」などあるでしょう。そんな要望にはシステムをカスタマイズして現場に合った操作や画面を提供してくれるシステムもあります。
ICTシステムを導入する際の注意点は?
ルールや稟議の見直しも必要
システム化するにあたり、今までの作業での無駄な部分を今一度見直してみることも大切です。
例えば「二重に報告しなければならない報告がある」「手作業で書き写さなければならないものがある」「この情報が十分に共有されない」などです。
今までのやり方をそのままシステム化するのではなく、無駄を省いてスマートにすることも一緒に考えましょう。
段階的な導入がおすすめ
保育業界には「IT系は苦手」という人が一定数います。保護者も同様。そんな状況下で、全てのシステムを一度にデジタル化することに抵抗感を感じる方は多いはず。
例えば「今回は登降園管理と連絡帳機能をICT化します」「半年後にお便り配信機能を導入します」のように段階的に導入すれば、現場も保護者も少しづつ慣れていくことができます。
保育士目線で使いやすいものを採用
日々利用するのは園のスタッフです。ICTシステムによっては実際に操作できるデモ画面を用意しているものもあるので、実際に使用してみて、使い勝手や画面の見やすさ、操作性、若手からベテランのスタッフまで抵抗感なく使用できるかなどを検証しましょう。